美空ひばり「一本の鉛筆」・美輪明宏「祖国と女達」
7月21日投票の参議院選挙、いま真っ最中です。皆様、いろいろお考えの上、投票されるのでしょう。この間のグリーン九条の会例会「目加田説子講演会」、「クラスター爆弾」「対人地雷」などの廃絶運動に市民活動家のひとりとして国際的にも取り組んでおられる目加田さん、地道な市民活動もつながりあって大きな力となることを伝えてくれました。おかげさまで私の視野も広がりました。納得する投票を私にさせるのにもつながるでしょう。
グリーン九条の会の会員として過ごすなか、意外な気づきの機会もいろいろ増えることとになっています。現状現実をやはり自分なりに見つめているからなのでしょうか。その中に、ふたつの歌との出会いもありました。歌にはまったくうとい私なのですが。
2年ほど前に、美空ひばりに「一本の鉛筆」(作詞
松山善三 作曲 佐藤勝)という歌があることを知りました。北海道出身のロックグループ「安全地帯」にも同名の「一本の鉛筆」(作詞
松井五郎 作曲 玉置浩二)があります。題は同じですが、全然別の歌です。
1974年の第1回広島平和音楽祭で、新作曲で本人が歌いました。はじめとおわりは以下のとおりです。
『あなたに
聞いてもらいたい
あなたに
読んでもらいたい
あなたに
歌ってもらいたい
あなたに
信じてもらいたい
ーーー
一本の鉛筆が
あれば
戦争はいやだと
私は書く
ーーー
一本の鉛筆が
あれば
8月6日の
朝と書く
一本の鉛筆が
あれば
人間のいのちと
私は書く』
その歌を知ったときは、私には衝撃でした。まったく知らなかったこと、美空ひばりの歌として知っている他の歌からは想像もつかない歌詞だったからでした。たまたま「川の流れのように」を聞きなじむようになっていたとき、「一本の鉛筆」教えてもらったのです。横浜で戦争体験をしたひばり、それもあって戦争はいやだと思っていたひばりだったのでした。
もうひとつは、美輪明宏の歌に「祖国と女達」(
作詞作曲
美輪明宏)です。があることを知ったのはごく最近、橋下徹大阪市長の「風俗業発言」「従軍慰安婦」発言があって以降でした。「祖国と女達」は「従軍慰安婦の唄」、それもどうしてそういうものがいいなんて言えるのとの気持ちにあふれた歌でした。「祖国と女達」のラストは、『大日本帝国万歳
大日本帝国万歳
大日本帝国万歳』、これも強烈なメッセージでした。橋下発言のようなものに対する、ある意味での「回答」、示された気持ちになりました。
私は美輪明宏の「ヨイトマケの唄」を昨年の紅白歌合戦で聞きましたが、ひさしぶりでした。その縁が引き金で、ついこの間、CDを買って聞くことになりました。「老女優は去り行く
美輪明宏のすべて」(コロムビア1977年7月23日 東京・郵便貯金ホール ”銀巴里生活25周年記念リサイタル” 実況録音版)
です。「夜を告げる星」として作家三島由紀夫のエッセイが歌詞パンフレットのなかにあるのもサービスになっています。そのCDに収録されていたのです。橋下慰安婦発言への「回答」、そこにも示されていたのでした。
私のは、いまごろようやくと言われる「出会い」(特に後者は)です。しかし幸いな「出会い」となりました。言葉の力、歌(音楽)の力、を改めて認識しています。
間違った「国策」にはノー、なぜなら自分はこう考えているからを、自ら持ち、ていねいに人にも言えるように心がけること、それは大事なことなのでしょう。だんだんとようやくが私の場合なのですが。
2013年7月15日
会員UE