6月8日韓国ソウル在住のソウル市立大学名誉教授鄭在貞(チョン・ジェジョン)氏をお招きしグリーン九条の会第12回講演会が開催されました。
先生は韓国近代史、日韓関係史、歴史教育の専門家でソウル市立大学教授、学長などを歴任し東大、北大でも教鞭をとられた経験があります。現在厳しい日韓関係が続く中「日韓の一層の友好を市民レベルで―3・1独立運動100周年に寄せて」と題して両国関係の近現代、そして未来について流ちょうな日本語で1時間半にわたり示唆に富んだお話をいただきました。
今年は植民地下で起こった朝鮮3・1独立運動から100年の節目に当たります。先生は日本国憲法と独立宣言の条文を比較しながらその多くの共通点をおさえつつ宣言の当時としての先進性を明らかにしそれが伝統として今日の韓国民主化運動につながっている点を指摘しました。
危機的状況にある両国関係改善にあたって過去の困難を乗り越えてきた先輩政治家―戦争を知る世代の知恵と経験からもっと学ぶ必要性を指摘しつつ、民間レベルで何に学ぶかいくつかの具体例が示されました。
・先生も関わった両国歴史学者、教育者による両国歴史教育・教科書共同研究の取り組み
・今も存続する姉妹都市交流
・カトリック等宗教者の交流
・先生ご自身が携わったソウル市での日本人向け日韓歴史講座
・囲碁棋士、スポーツ選手の熱い交流
等々の例に今後の両国友好発展の可能性を熱く語られました。
最後に世界的な文明学者ジャレド・ダイアモンドUCLA教授の著書からの「韓国と日本の国民は幼児期を共に過ごした双子の兄弟・・・・今後東アジアの政治的な未来は韓国と日本が長い間の絆を再発見するかどうかに左右されるだろう」という引用でお話を締めくくられたのが印象的でした。
先生のお話は高い識見に裏付けられていると同時に何よりも日韓両国の友好発展を願う情熱とやさしさが伝わってきた感動的な1時間半であったと思います。先生の今後益々のご活躍をお祈りいたします。
時節柄お忙しいにもかかわらず50名に近いご参加をいただきましたことに心より感謝申し上げますとともに開催に当たりご協力をいただきました医療九条の会・北海道、たかさき法律事務所九条の会、エンレイソウ九条の会、ビー・アンビシャス9条の会・北海道の皆様に心よりお礼申し上げます。
6月9日 事務局