「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」が教えてくれたこと


4月28日日本政府(安倍晋三首相)は、東京で「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開催しました。4月28日は沖縄県では「屈辱の日」、主権回復でない現実があったからです。それなのになぜかといぶかる思いでした。当日の状況からいろいろな点(それも問題点)がはっきりしたといって過言ではないでしょう。

そのひとつにすぎませんが、当日は、天皇皇后も出席させることとなりました。「お言葉」もなく、着席しっぱなしを強いた形です。出席させるべきではない、なかったと、いろいろな識者も発言した問題です。この点に関しては、式典最後に会場内から出た「天皇陛下万歳」の声に、安倍首相などが唱和ということに作為を示してしまったようです。懸念はあたっていたし、批判に妥当性があったことをますます裏付けてしまったのではないでしょうか。「天皇の政治利用」という違憲行為を行ったのではという指摘や意見に誰がどう答えようということになるのでしょうか。安倍晋三氏には、きちんとした回答は残念ながら期待できそうにありませんし。

当日は沖縄県では、県議会野党・中立系会派や市民団体などが主催する『4・28政府式典に抗議する「屈辱の日」沖縄大会』が1万人以上(主催者発表)の参加で開かれました。抗議の決議と大会スローガンを採択しました。冒頭あいさつが共同代表の嘉納昌春県議会議長でした。開会は「沖縄を返せ」の替え歌「沖縄に返せ」の合唱ではじまったそうです。

採択された大会スローガンは以下のとおりです。

「沖縄を切り捨て米軍占領下に置いた『屈辱の日』を、『主権回復の日』とする政府式典はがってぃんならん!強く抗議する

欠陥機オスプレイを即時撤去し、追加配備と嘉手納基地への配備計画をただちに撤回せよ

米軍普天間基地をただちに閉鎖・撤去し、県内移設を断念せよ

基地のない平和で、みどり豊かな沖縄を実現しよう」

安倍晋三首相、式典では言葉をずいぶん飾ったようですが、その内容はとても抗議大会にまともに応える姿勢ではないようです。今の憲法さえ踏みにじる人だったのかと思わせるような人物が、改憲条項の緩和には執念を燃やす、いったいどうしたのでしょう。其の意図が衣の下からのぞいているように受け止めてしまったのは私ばかりではないでしょう。欺瞞に満ちた式典ではないかと考えることは、見当はずれとは思われません。そのことをしっかり教えてくれたということは皮肉なことです。

今の日本国憲法改めてしっかり見つめようと思いました。それを大事にすることは、と自らに問うのが私には必要なようです。

2013年5月10日 会員UE