知里幸恵

「知里幸恵銀のしずく記念館」が、去る9月、幸恵の生地である登別市にオープンしました。その地は、「登別の春はどんなにかきれいでせう。うらゝかな春の海はどんなにのどかでせう。春雨のソボソボ降るその景色も何んなに美しいでせう」、「一生を登別でくらしたいと存じます」と書簡に記していた幸恵に最もふさわしい場所であると思います。

記念館には、「私は書かねばならぬ、知れる限りを、生の限りを、書かねばならぬ」という幸恵の思いを込めた「アイヌ神謡集」などの貴重な資料が展示されています。同書の「序」には、和人に侵略される以前のアイヌの「平和の境」の肖像が刻まれています。

今は失われてしまったそれらの日々を今日的に再生させる営みは、憲法の九条と二十五条とを車の両輪とした社会を創り出していくための熱情の淵源となるような気がします。

2010年11月26日 会員M

「女性自衛官人権訴訟 原告と弁護団の3年3ヶ月」

りんゆう観光のウェブマガジン カムイミンタラ 2010年11月号(ウェブ版30号 通巻150号)を最終巻として発行の継続を終了します。今後はインターネット上でアーカイブとして公開を続けます。

11月10日公開の最終巻特集が「女性自衛官人権訴訟 原告と弁護団の3年3か月」です。当時現職の女性自衛官が2007年5月8日に札幌地裁に提起した訴訟が、2010年7月29日原告勝訴、国の控訴断念で8月12日判決確定しました。

その裁判の弁護団で中心的役割をはたしてきた弁護士の佐藤博文さん、秀嶋ゆかりさんおふたりに対談で裁判をふりかえっていただいた内容です。

憲法九条があるからこその裁判であったこと、憲法九条があるからこそ「自衛隊は他国の軍隊とは違う」こと、佐藤さんも原告も改めてかみしめているようです。

「ウェブマガジン カムイミンタラ」で検索すると読むことができます。私も読んで、多くの方にもお読みいただきたいものだと思いました。全国の九条の会の方々にはなおのことと考えました。関心ある方は、ぜひお読みください。

なお、カムミンタラ過去号特集には、故・箕輪登さんが全国にさきがけて提起した「自衛隊イラク派遣差止北海道訴訟」に関しても、2度扱われています。あわせてお読みいただければ幸いです。

2010年11月15日 会員UE

九条の会ホームページ、「マガジン9」

グリーン九条の会のブログに、九条の会のホームページをリンクしています。正確には九条の会事務局に承認いただいてのリンクです。

2004年に九条会アピールがだされたあと、11月25日当時の札幌市民会館大ホールで、「九条の会札幌講演会」が開催されました。題して「守る9 活かす9」、呼びかけ人のなかから、奥平康広さん、小田実さん、鶴見俊輔さんがこられて講師の催しでした。

私も声をかけられ、参加しました。会場にあふれる参加者、深い内容のお話、いまだに鮮明な印象です。その後のうちあげにも顔出しを許されたこともあってなおさらということになります。

九条の会のホームページを時々拝見しているわけですが、じつにていねいに細かく状況を伝えようという姿勢がうかがわれ、頭が下がります。私もそれらになじむなか、グリーン九条の会結成にかかわりました。

私は、ホームページで読めるようになっている「九条の会アピール」を、年数回読み返しています。できることを少しでもという気持をささえてくれているのも、アピールで訴えられている内容を私たちなりで解釈したからです。読み返すとき、結成と結成以降の手探りの体験を思い起こすことになります。自由な新しい活動スタイルを、あの年配の方々の発想でと考える時、気持の若さは年齢でははかられないことを思い知るのです。

広い視野を教えてもらったり、学ばせてもらったりすると、私でも何かでてくることがあるのだと実感する機会にもなりました。

九条の会ホームページ、そんなことを他の人にもとも思います。また、同じくリンクさせていただいている「マガジン9」も濃い内容満載のウェブマガジンで、これまた関係者の地道な努力に頭を下げています。

2010年11月4日  会員 ue