第6回講演会を開催のお知らせ : 目加田 説子氏 『市民が紡ぐ平和』

第6回講演会を開催致します。みなさんのご参加をお待ちしております。

グリーン九条の会 第6回講演会 目加田 説子氏 『市民が紡ぐ平和』

■2013年7月6日土14:00~16:30(開場13:30)
■北海道建設会館 大ホール
 札幌市中央区北4条西3丁目1番地 北海道建設会館9階
 JR札幌駅南口 徒歩3分/地下鉄さっぽろ駅 5番出口(成友ビル)、13番出口(東急)より徒歩2分
■参加費:1,000円

グリーン九条の会 第6回講演会 目加田 説子氏 『市民が紡ぐ平和』 チラシ
 

主催:グリーン九条の会
協賛:医療九条の会・北海道 たかさき法律事務所九条の会 エンレイソウ九条の会

お問い合わせ、参加申し込みは、郵送か、メールでお願いします
<連絡先>
グリーン九条の会
〒003-0831 札幌市白石区北郷1条7丁目5-8 白鳥方
E-mail : green9zyonokai@gmail.com

<目加田 説子(めかた もとこ / Motoko MEKATA)氏  プロフィール>
中央大学総合政策学部・公共政策研究科教授
上智大学卒業後、ジョージタウン大学修士課程(M.A.)、コロンビア大学修士課程(M.S.)
を経て大阪大学大学院国際公共政策研究科博士課程修了(国際公共政策博士)。2001年
に経済産業研究所研究員、2002年東京大学客員助教授を経て、2004年より現職。また、
1997年より地雷廃絶日本キャンペーン(JCBL)理事。
単著に『行動する市民が世界を変えた──クラスター爆弾禁止運動とグローバルNGOパ
ワー』(毎日新聞社、2009年)、『地球市民社会の最前線──NGO・NPOへの招待』(岩波
書店、2004年)、『国境を超える市民ネットワーク──トランスナショナル・シビルソサエ
ティ』(東洋経済新報社、2003年)、『地雷なき地球へ―夢を現実にした人びと』(岩波書店、
1998年)、『ハンドブック市民の道具箱』(編著、岩波書店、2002年)等。

「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」が教えてくれたこと


4月28日日本政府(安倍晋三首相)は、東京で「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開催しました。4月28日は沖縄県では「屈辱の日」、主権回復でない現実があったからです。それなのになぜかといぶかる思いでした。当日の状況からいろいろな点(それも問題点)がはっきりしたといって過言ではないでしょう。

そのひとつにすぎませんが、当日は、天皇皇后も出席させることとなりました。「お言葉」もなく、着席しっぱなしを強いた形です。出席させるべきではない、なかったと、いろいろな識者も発言した問題です。この点に関しては、式典最後に会場内から出た「天皇陛下万歳」の声に、安倍首相などが唱和ということに作為を示してしまったようです。懸念はあたっていたし、批判に妥当性があったことをますます裏付けてしまったのではないでしょうか。「天皇の政治利用」という違憲行為を行ったのではという指摘や意見に誰がどう答えようということになるのでしょうか。安倍晋三氏には、きちんとした回答は残念ながら期待できそうにありませんし。

当日は沖縄県では、県議会野党・中立系会派や市民団体などが主催する『4・28政府式典に抗議する「屈辱の日」沖縄大会』が1万人以上(主催者発表)の参加で開かれました。抗議の決議と大会スローガンを採択しました。冒頭あいさつが共同代表の嘉納昌春県議会議長でした。開会は「沖縄を返せ」の替え歌「沖縄に返せ」の合唱ではじまったそうです。

採択された大会スローガンは以下のとおりです。

「沖縄を切り捨て米軍占領下に置いた『屈辱の日』を、『主権回復の日』とする政府式典はがってぃんならん!強く抗議する

欠陥機オスプレイを即時撤去し、追加配備と嘉手納基地への配備計画をただちに撤回せよ

米軍普天間基地をただちに閉鎖・撤去し、県内移設を断念せよ

基地のない平和で、みどり豊かな沖縄を実現しよう」

安倍晋三首相、式典では言葉をずいぶん飾ったようですが、その内容はとても抗議大会にまともに応える姿勢ではないようです。今の憲法さえ踏みにじる人だったのかと思わせるような人物が、改憲条項の緩和には執念を燃やす、いったいどうしたのでしょう。其の意図が衣の下からのぞいているように受け止めてしまったのは私ばかりではないでしょう。欺瞞に満ちた式典ではないかと考えることは、見当はずれとは思われません。そのことをしっかり教えてくれたということは皮肉なことです。

今の日本国憲法改めてしっかり見つめようと思いました。それを大事にすることは、と自らに問うのが私には必要なようです。

2013年5月10日 会員UE

「リンカーン」(ドリス・カーンズ・グッドウィン)を読んで


中公文庫から米国の歴史家ドリス・カーンズ・グッドウィンの著作「リンカーン」(全3巻)を読みました。中央公論新社より2011年に上下2巻で出版されていたそうですが、そのころ私はぜんぜん知りませんでした。書店に新発売で文庫本が平積みされていたことで手に取ることになりました。4月19日(金)より全国で封切られる米映画「リンカーン」(スピルバーグ監督)の原本となる著作だとのふれこみに釣られたのです。

本の著者は、第36代リンドン・B・ジョンソン大統領の補佐官を務めた後、ハーバード大学で教鞭をとり歴史家として著作も書いているそうです。このリンカーン伝は10年かけてさまざまな資料を読み込んだ「一大物語」(訳者 平岡緑)でした。そして「本書はアメリカ合衆国第16代大統領エイブラハム・リンカーンの最後の5年間、すなわち大統領候補として共和党の指名を受けた1860年から暗殺された1865年までを描いたものである。」(解説 土田宏)だそうです。

土田氏は、映画はその大作のどこに焦点をあてたかについても触れています。脚本(トニー・クシュナー)は、銃後の議会での、奴隷制度を廃止する憲法第13条の修正法案の採択の日々に焦点をあてているのは、秀逸と述べています。リンカーン役のデニエル・デイ=ルイスは、2013年の「ゴールデングローブ賞」「米アカデミー賞」で主演男優賞を受賞しました。映画のできも間違いなく良いようです。

4月19日(金)より日本での封切り公開です。これまで予告編を見て、封切りを楽しみにしていた私でしたが、ノンフィクションドラマともいうべき原作を通読できたことで、150年前のアメリカ合衆国、リンカーンの人となり、とりまく人々について、具体的な知識を得ることができました。見る楽しさがさらに増しそうです。

それにしても、リンカーンは本当に時代が求めた人だった、よくぞリーダーシップをふるう立場になれたものだ、との思いを深くしました。

余談ですが、アメリカ議会での憲法修正には3分の2以上の賛成がなければだめということも知りました。日本で、3分の2条項を取り払おうとする動きが公然とされていること、そのために瞬間的にでも今年の参議院選挙で改憲派で3分の2を占めようとする動きも強まっている今です。どさくさまぎれにそうした策動には厳しい目が必要なようです。

南北戦争を通して、奴隷制度は憲法の上からも否定されることになりました。しかし著者も触れているように、黒人差別が社会の中でだめというためには、さらに100年以上の取組みがなければなりませんでした。言葉だけに止めているのではなく、実際にそれが地についたものになるためには、やはり「活憲」の姿勢と取組みが求められているのでしょう。自戒にもなりました。

2013年4月12日 会員UE

ノーマ・フィールドさんが問いかけるもの

先日札幌で、ノーマ・フィールドさんと小野有五さんの対談がありました。
小林多喜二が天皇制ファシズムの白色テロに倒れて80年。多喜二の視点でフクシマにどのように向き合うのかを問いかけるノーマさんの問題意識が新鮮でした。
ノーマさんは多喜二の作品から与えられた大事な視点として、運動を最も必要としている人々が、実は、その運動に参加することが困難な立場に置かれていること、そのような人々をどのようにして運動に加わってもらうのかが、多喜二の最大の関心事だったことを挙げています。
「1928年3月15日」の留置場の場面。浜の現場から引っ張られてきた労働者が、幹部にとって拘束されるのは「名前が出て偉くなったり、名誉」かも知れないが、自分がこうして働けないと、すぐさま妻子が食べられなくなると訴えます。
「新女性気質」では、オルグの山田がお恵について語る場面。「日暮らしの重み」につぶされそうなお恵を「立ち上がらせることができなければ、この運動は本当の根」を持つことはできないと語ります。
浜の労働者やお恵こそ運動を最も必要としているのですが、その運動に参加することが困難な立場に置かれている人々です。彼らを運動に参加させるために、どのように向き合っていくのか。多喜二の問題意識はつねにこの一点にありました。
フクシマの現実はどうでしょうか。
ノーマさんは、「不安の格差」という表現で、フクシマの現実に迫っています。
いわゆる「安全」な食品に手が届かない人が無関心になり、脱原発を主張する人を迷惑がる状況。原発が立地している地域の人々は、健康を案じながらも脱原発を主張しない状況。ノーマさんはこうした状況を「不安の格差」現象と指摘しています。
「不安の格差」状況下にある人々は、「運動を最も必要としているのですが、その運動に参加することが困難な立場に置かれている人々」でもあります。
フクシマの現実は、今こそ多喜二の視点の大切さ加減を浮き彫りにしています。
ノーマさんは、「行動は絶対に必要だが、前提を誤ると、分断を望む勢力の思うつぼにはまってしまう」と警告しています。
いま改めて、このことを考えてみる時期だと思うのです。

   2013・2・23  会員M

「自立する国家へ!」(ベスト新書)を読んで


元レバノン大使天木直人氏と元自衛隊航空幕僚長田母神俊雄氏が共著「自立する国家へ!」(ベスト新書 KKベストセラーズ)を年明け出版しました。天木氏のブログで予告めいたことを知らされていたとはいえ、どんな本になっているのかと、目を通すことになりました。

本の腰巻では「安倍晋三新政権の覚悟を問う」という言葉がありました。今回の安倍内閣の防衛政策と先行きを、案じ見つめていこうという点では、ふたりの思いはそろっているようです。ふたりとも、1955年結党の自民党の安全保障政策に関する「党の政綱」の中「独立体制の整備」を視野に入れていました。もちろん違う角度視点からですが。そのなかには「外国駐留軍隊の撤退に備える」が明記されていました。当時の自民党さえ言う、自明ともいうべきことだったのでしょう。この本のおかげで、今どうなっているかに思い至ることもできました。

構成は、ふたりの持論を語らせ、対談でぶつけあう形になっていました。それぞれの講演をそれぞれ第1部「今こそ自主・自立した日本を取り戻すときである 天木直人」第2部「日本は国力と軍事力を備えた独立国家たれ! 田母神俊雄」として収録し、さらに第3部「激論 最強の自主防衛とは?」として両者の対談をのせています。加えて序文を天木氏,後書きが田母神氏が担当して充実した補足にもなっています。かたや現在の日本国憲法を守ろうということに対し、かたや改憲と核武装も辞さない考え、お互いがお互いを認め合ってとまではいきません。譲らない平行線ぶりが違いをきわだたせるものになっています。

しかし、違いはなにか、よりどころにする所はなにか、双方の主張を整理して読者に比較の材料として伝えるものとしては、たいへん意味がある本と思いました。お互いに認め合っての論議です。

ふたりとも、これまで憲法についてなど、対極的主張(適当な表現かどうかわかりませんが)をしていて、その意見行動でよく知られている人たちです。そのふたりの共著、面白いことが実現しました。対米従属での「日米同盟」に対する危惧は、ふたりが感じている点でもあります。それが本書が実現した原因のひとつのようです。

そして、お互いの意見に耳を傾ける姿勢をふたりが持っていること、改めて発見しその意味で両者を評価することになりました。相手の論拠とすることをきちんと知ったり理解したりしたうえで、主張をふりかえり相手にに届く言葉をさらに努力すること、これは大切なことだと思うからです。

その意味で、ふたりが協力し合って出したこの本は、まだまだ論議も論争も国民的には尽くされていない、だからひとりひとりが考えてみなくては、言い合わなくては、を問うているのかもしれません。私に対しても、うすっぺらい認識や借り物の意見を鵜呑みにしてわかったようになってはいませんかと。やはり言論は言論で、と気持ちもかみしめています。今の世の良さです。異なる意見の人とはどう見解をたたかわすものか、の一例を見た思いです。当事者ばかりでなく、それぞれの意見に賛成する人も反対する人もまきこんでが必要だと意味でも。

天木氏の主張、本書からもやはり私は説得力のある納得できるものと共感しました。決して中立的読者ではありませんし、読んだ結果でもそうでした。。

「これを読まれた読者にはお分かりのように、そこで述べられている自主防衛政策には大きな隔たりがある。そのいずれが正しいかは読者が判断すればいい。二人に共通するものを読者は見つけることができるはずだ。それはいわゆる親米保守のこの国の指導者たちが繰り返す対米従属の外交・安全保障政策では日本は浮かばれないということだ。」(天木直人 7ページ 序文より)

「日本の最善の自主防衛策は、専守防衛の自衛隊、東アジアにおける平和システムの構築とそれに向けた外交努力、そしてその二つを実現するための思想的基盤としての憲法9条の堅持、この三位一体の政策である」(天木直人 86ページ 第一部より)

その私ですが、読み甲斐のある本と出合えたとの認識をふたりからいただきました。熱っぽさも伝わりました。ありがたいこととおふたりには感謝しています。田母神氏は、「話せばわかる」人がどうかはまだ私にはわかりませんでしたが、「問答無用」の人ではありませんでした。「自立する国家へ!」は、私と彼との距離を近づけたのかもしれません。

2013年2月10日 会員UE

グリーン九条の会発足5周年

松の内も明け新年もいよいよ“日常”がスタートしました。
あらためまして本年も宜しくお願いいたします。
本会は今年10月で発足5周年の一区切り迎えます。これまで講演会開催を中心に様々な団体、個人の皆様と交流を深めてきました。そこで賜りましたご支援、ご鞭撻に心より感謝申し上げます。
本年も平和への思いをこめた講演会開催に向け準備を進めているところです。

さて昨年末の総選挙の結果、平和への逆流勢力が一気に表面に現れた感があります。
がしかしこれは“本人たち”も認めるように大いなる“争点隠し”と “敵失”等の結果であり国民の平和への思いの大変化とはとうてい判断できません。
とは言え、逆流の強まりを些かも軽視するわけにはいきません。
当会は昨年末ホームページに学習資料として日本国憲法、自民党改憲草案、日本維新の会綱領を掲載いたしました。あらたな思いと決意で学習と交流を広げ深めていく所存です。
変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2013年1月10日 事務局

ありがとう ベアテさん


ベアテ・シロタ・ゴードンさんが、2012年暮れ89歳で亡くなったと年明けの新聞各紙が報じていました。1月3日東京新聞コラム「筆洗」欄の紹介追悼記事を紹介します。

「父親が反対したら、好きな人と結婚できない。自分から夫に離婚を申し出ることもできない。貧しい農家では、家族のために少女が身を売っているーーー。世界的なピアニストを父に持ち、5歳から15歳まで戦前の日本で暮していた米国人の女性は、家制度に縛られた日本女性の苦しい立場をよく理解していた▼連合国総司令部(GHQ)民生局に設置された憲法草案制定会議の一員として、日本の新憲法の起草にかかわり、草案の翻訳にも通訳として加わったベアテ・シロタ・ゴードンさんである▼当時22歳。唯一の女性スタッフだったゴードンさんが任されたのは、男女平等や社会福祉に関する条項の起草だった。男女の平等は「日本の文化に合わない」と主張する日本側と激論の末、個人の尊厳と両性の平等を定めた24条として結実したことはよく知られている▼晩年にしばしば来日し、憲法制定にかかわった自らの役割を明らかにしてきたゴードンさんが昨年暮れ、ニューヨークの自宅で亡くなった。89歳だった▼2000年5月に参院憲法調査会に招かれ、意見陳述した際、長く沈黙を守った理由を「憲法を改正したい人たちが私の若さと盾にとって改正を進めることを恐れていた」と語っていた▼だれが起草しようとも、24条はすでに普遍的な理念として、私たちの中でしっかりと息づいている」

ひとこと自分のうろおぼえの知識をつけくわえると、東京の下町でも娘は売られる対象にもされた、と言っておきます。農家だけのことではなかったといいたいからです。「家制度」とあるのも、家長制度、あるいは戸主制度としたほうが、筆洗氏の伝えたいこともより具体的だったのではと思いました。

敗戦の結果、明治憲法から現日本国憲法に変わったことの意味、世界の到達レベルに日本が追いついたことでもありました。国民主権、女性も選挙権などなど。誰が言っていることであろうと良いことは良い、そのひとつの証です。故・城山三郎さんが、日本国憲法を高く評価していたこと、通じるものがあります。

そして日本人は、進んだものを認める知性と柔軟性をもった国民であり民族であることも示しました。昭和天皇も、発議の形をとり新憲法施行の現実を受け入れたのですから。現天皇もまさに新時代に対応しての姿勢を貫いているのではないでしょうか。

ベアテさん、ありがとう。日本国民は私を含めてあなたへの感謝の気持ちを忘れないでしょう。また、彼女のことをとりあげたドキュメンタリー映画も日本で作られ各地で上映されてきました。とりわけ各界の女性の理解と感謝と協力の賜物のようです。それも改めて見る機会が増えればと思います。


2013年1月4日 会員UE